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2012年08月29日

孫子の兵法

百戦百勝は善の善なるものに非(あら)ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。
彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず。
善(よ)く攻むる者には、敵、其の守る所を知らず。善く守る者は、敵、其の攻むる所を知らず。

以上の3つは、簡単に戦争することを戒め、綿密な観察眼を持ち、主導権を握る、ことがいかに重要かを示した僕も含めて多くの日本人が大好きな孫子の有名な兵法です。

最近のきな臭い領土問題、今日は竹島問題を孫子の兵法を参考に考えてみたいと思います。

主は怒りを以て師を興すべからず(火攻篇四)
一時の感情で行動を起こすな…ということです。

李明博大統領の常軌を逸した竹島上陸という行為は、内政の不人気を外政で挽回するという常套手段で、日本との緊張を高め竹島上陸で日本に一矢報いた英雄として退任後に囁かれるソウル市長時代の不正に関して司直の手が自らに及ぶことを避ける狙いなのでしょうが…それとは逆に、竹島問題に無関心だった日本国民に関心を持たせ、日本国内では全く報道されていませんが、韓国でも「かえって日本に自己主張の機会を与えた」と冷静に論評している一部マスコミがでてきたことなどは、竹島の実効支配をしている韓国が日本に理を与えた格好になったのではないでしょうか。

檄水の疾(はや)くして石を漂わす(勢篇三)
勝負の節目と見れば瞬時に行動を起こす…という意味。

日本は竹島問題をICJ国際司法裁判所に提訴。李大統領の蛮行を節目として、日本の主張を大いに世界に喧伝する好機得ました。

戦わずして人の兵を屈す(謀攻篇一)
争い事に至らしめることなく、問題を解決することが望ましいのは言うまでもありません。
孫子はつづけます…
上兵は謀を伐(う)つ。其の次は交を伐つ。其の次は兵を伐つ。其の下(げ)は城を攻む。
上策は相手の謀(はかりごと)を未然に防ぐこと。次策は相手を孤立させること。次々策は交戦すること。最も避けるべきは城を攻めること。

最初二つが賢作で、後の二つが愚策です。その意味でICJ提訴は取る手段だと思います。

兵の形は水を象(かたど)る(虚実篇七)
水は高いところを避けて低いところに向かう…軍隊も兵力の充実しているところを避けて隙(スキ)のあるところを攻撃する、という意味。

国際社会における日本の影響力が低下し、一方韓国の経済力が向上しているという自信。これが李大統領の一連の言動や反日感情を煽る韓国世論につながっていると見るべきですし、ここが日本の「隙」だとも言えます。

外交は総合力、その基本的要素として政治力、経済力、文化力、抑止力、国際的影響力などが挙げられますが、日本外交の総合力の源泉とも言うべき経済力は「失われた20年」の間に進んだ日本経済の劣化によって日本に「隙」をつくってしまった一方で、韓国の外交は経済力の成長とともにその総合力を増してきたと言えるでしょう。

ここで、国際法に関する竹島問題との関連で外交を含む日韓の歴史的経緯を整理すると…

1910年:日韓併合条約(当事国は日本と韓国)…日本は韓国を占領、韓国は事実上日本の領土に。

1945年:ポツダム宣言受託…日本の領土は、北海道、本州、四国、九州、その他アメリが指定する島嶼地域ということになり…それを受けて ↓

1946年:連合国最高司令部訓令…アメリカは「竹島は日本に含まれない」と宣言…それを受けてと同時にサンフランシスコ講和条約で竹島の領有権が日本に帰属しそうなのを察知したのか ↓

1951年:李承晩ライン…韓国の李承晩大統領が日本と韓国の間に国境線を設定、竹島は事実上韓国領に…しかし↓

1952年:サンフランシスコ講和条約(当事国は日本とアメリカ、調印は前年、李承晩ラインの後)…日本の国際社会への復帰、アメリカは竹島を日本であると宣言…それを受けて日本は韓国へ物理的な攻勢をかけるが ↓

1953年:韓国守備隊による日本漁船の拿捕や漁船・海上保安戦との銃撃戦が勃発。1965年の日韓基本条約締結に至るまで日本漁船の拿捕は328隻、抑留者3929人、死亡5人、負傷3人、銃撃された海保巡視艇は16隻に及び ↓

1954年・1962年:竹島領有権に関してICJ提訴を韓国に提案するも拒否されるも ↓

1965年:日韓基本条約締結

以後竹島の領有権問題については長らく膠着状態が続くも ↓

2008年:アメリカ地名委員会…竹島は韓国領と認定。つまりサンフランシスコ講和条約で竹島は日本の領土とした当事国であるアメリカが竹島を韓国領として認定したにもかかわらず、当時の町村外務大臣はアメリカに抗議しないと国会で答弁…

何と!アメリカは竹島は韓国のもの…と言っているのです。しかもそれに日本は抗議をしていない!

その意味で、日本はこれまでの外交政策を総括するとともにICJ提訴するにしてもアメリカに対しても毅然とした外交を仕掛けるべきではないでしょうか…

その意味でも、日本人も韓国人もお互いのメディア環境の中で自国の主張しか知らない状況におかれ、感情的になりすぎではないでしょうか…

最初に紹介した孫子の兵法、彼れを知りて己を知れば、百戦して殆(あや)うからず…の帰結は

彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎(ごと)に必らず殆うし…なのですから

meza6

孫子の兵法





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Posted by meza6 at 19:59│Comments(4)思うこと
この記事へのコメント
主は怒りをもって師を起こすべからず。
将は憤りをもって戦いを致すべからず。
利に合えば動き利に合わせざれば止む。

それだけの事だと思うのですが(^_^;)
Posted by ISLAY(アイラ) at 2012年08月30日 06:28
おお!もしかして ISLAY さんも孫子の兵法が好きですか?
多くの時代を乗り越えても全く色褪せないモノサシ、人の知恵ですよね(o^-^)
いつか飲みに伺いますので、今度 ” 孫子兵法 ” ってカクテルでも作ってください(*^_^*)
Posted by meza6meza6 at 2012年08月30日 09:36
「孫子兵法」カクテル(^_^;)

考えときます(笑)


孫子、マキャベリ、ドラッカー、新渡戸稲造など一通り読みました。

有名所ばっかり

ミーハーです(笑)

その中でも孫子はシンプルで分かりやすいから好きです。
Posted by ISLAY(アイラ) at 2012年08月30日 14:53
ISLAY さん、素晴らしい!
有名所と言っても、それなりの覚悟がないとなかなか読み切れないですよ…

これでますます The Cocktail named " Military tactics of Sun-tzu " をいただくのが楽しみになってきました(*^_^*)
Posted by meza6meza6 at 2012年08月31日 08:38
 
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